平成26年3月26日 25JEITA-CP第42号
「ハイレゾオーディオ」と呼称をする場合
”CD スペックを超えるディジタルオーディオ”であることが望ましい
一般社団法人 電子情報技術産業協会 コンシューマ・プロダクツ部
すると20年前に、96KHzでのデジタル録音と再生を楽しませてくれた、5万前後で購入できたコンシューマ向けのDAT機器が、既に「ハイレゾオーディオ」だったことになるわけです。
この度のこの”周知”は、一方の映像スペックが、CD製品化の1982年から30年にわたり、絶え間なくアップグレードされてきたことに対して、オーディオの不遇さを、とてもよく表しているとおもいます。
さてそもそも今回の周知の目的は声明の中で、「マーケットでの混乱を回避し正しい理解が得られることを目的として」とされています。つまり既に使われていた"ハイレゾ”をスペックで追認したわけです。
しかし10年前の2004年にIntel社が既に、スペック先行で「HD Audio」を提唱したことを思い出したいとおもいます。その序文の目的には次のように書かれてあります。
PCオーディオの一段の向上が目的とされ、それに付随する各種スペックが定められました。そして数年後、マーケットのほとんどのPCでは、購入者が望む望まないに関わらず、最低24bit、192KHz、転送レート48Mbps等がサポートされ、デジタルスペックでオーディオ専用機を凌駕しました。
大量生産の結果、高性能のオーディオチップの低価格化が進み、数百万円するオーディオ機器の蓋を開けてみると、一万円しないPCボードで使われているDACチップまわりが使われていたという事態をもたらしました。
さて、以下はこのHD Audioの音声ストリームの定義の一部です。ベースレートに対する倍率で指示するというのがおもしろいです。
今回のハイレゾの周知は、下限を定めるという点では前進でしたが、内容はまだまだ20年前。今後、ぜひ上位定義を設け、ここにあるような、すでにあり実際に使われている分類を利用してほしいなとおもいます。例えば192KHzないし176.4KHz 再生可能な場合は、
ハイレゾx4
または
4倍ハイレゾ!
(注:ドラゴンボールでの「4倍界王拳!」風に読むこと)
とか。ただ映像がすでに4Kになっていることを考えると、8倍ハイレゾを目指しても
いいんじゃないかと。
あと今一番必要なのは安定です。44.1KHz、176.4KHz、192KHzが交互に再生される場合でも、安定してビットパーフェクトで再生できること、これが意外にないのです。
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