SSRC-GUI 最速アップサンプリングツールをお手軽に

 アップサンプリングというのは時間がかかる。最近のパソコンではどうかわからないが、FUSEなどでは実際の演奏時間よりはかかっている。まあ時間をかけているとその分すごいことをやってくれているなという感じもするが、ハードディスクもがりがりするわけで、平行して負荷のかかる作業はしずらい。
 SSRCはアップサンプリングツールの中でも初期のものであるが、当時のマシンスペックの中で開発されているためだろうか、処理時間はだんとつに速い。また結果も個人的にはFUSEと同等に気に入っている。ま、時間をかければいいもんだというわけでもない例である。
 しかしそのインターフェイスがコマンドラインが故に、使いずらいのも事実である。そこで便利なのがドイツのPatrick Hollerbach氏が提供しているSSRC-GUIである。
 このツールはラッパだけでSSRC本体は含まれていないので、別途SSRCはダウンロードしておく必要がある。下のようにSSRC本体のexeを同じフォルダに入れてから、SSRCGui.exe起動する(画面でのssrc.txtは必須ではない)。

 起動すると次のような画面が表示されるので、WaveUpConverterのようにマウスでオプションを選択して、また複数のファイルをバッチで処理できるようになる。ちなみに画面でしているSamson Francoisの録音には古い故のヒスノイズが入っているものであるが、こういうソースの場合はFUSEよりも、レンジを拡大しないSSRCの方が向いている。

 必須なのはtwopass processingとuse SSRC-HP.exeだろう。SSRCのディザは以前にも書いたが、WaveUpConverterのような強いものではなく、適度にかかる。その他、SSRCのすべてのオプションが用意されていて非常に良い。GJである。
 しかし、1つだけ問題がある。ターゲットのサンプルレートに176400hzが選択できないのである。SSRCではサンプリングレートの指定は整数倍(x2やx4)を指定するのではなく、レート値をそのまま指定するのだが、通常のCD(44100hz)をアップサンプリングする場合には、そのx4の176400hzを指定しておきたいものである。しかし選択肢にないので192000hzを指定することになる。
 ところが、サウンドカードとOSの組み合わせによっては176400hzが再生できないものがある。そのような場合には結果としてこのツールを重宝することになるだろう。