プチプチ音とPCのジッタのおかしな関係

(4/17 用語間違い等を修正して更新)
 先月の投稿で書いたように、新パソコンにしてから再生中にチッという音がするようになった。使用しているサウンドーカードは旧マシンから移設してきたもので、それまでそんなことはなかった。
 日本だとプチプチ音とか、英語ではBubble Wrap Soundで表現されるようだが、通常は電源ノイズ、またPCの場合には単体または並行して走る処理によるレイテンシーの増大によるものだが、この一ヶ月戦っていたのはそういったものではなかった。
 いろいろなソフトを動かしていてもCorei7は十分すぎる余力を持っており、アップサンプリングを行ってもレイテンシーチェッカーは極めておとなしいものであった(画像)。特徴を上げると次のようなものである。
ここでのプチプチ音の特徴
  • 再生時のシステム負荷には依存しない
  • 音量はごくわずかでヘッドフォンで認識できるレベル
  • 再生時以外は発生しないが、再生中常時発生するわけではない。場合によっては数分発生しない。
  • 音の発生は、発音の瞬間でその瞬間で停止ボタンを押すと消える。
  • 再生停止時には無音。
  • 別のPC(XP32bit)では同カード、同電源を使用しても発生しない。
  • 再生に使用するプレイヤー(アプリケーション)に依存しない
  • 再生に使用するインターフェイス(WASAPI、KS、DS)には依存しない
  • 再生音源のサンプリング周波数、ビット数には依存しない
当初からこの問題はジッタが原因であると考えていた。それはパソコンを自作する前にクリプトンの試聴会で「方向性としてジッターはやはり重視していこうとおもった」と書いていたように、ある意味基本的なことでわかりきっていたことだ。が、これまでのピュアオーディオの経験ではジッター対策は。こういうあからさまなプチプチ音を消すためには行わなかったし、この基本対策を、最新のPCに対してはどう適用すればよいのか調査が必要であった。
 私の環境では、biosでturbo boostとspeed stepなどの省電力関係をoffにすることでプチプチ音は大分改善されました。CPUクロックが動的に変化することが問題なのかもしれません。
といただいたコメントも参考にこの一ヶ月ある意味で激闘していたわけだが、結論からいうとプチプチ音は解決した。実は途中から解決していたのだが、できる限りいろいろな音源で長期の確認テストを慎重に行っていた。その結果、以来プチプチ音を認識したことは一度もなく、まずは解決したといえるだろう。
 おそらく次のPC制作時には忘れているので以下に行った対策をメモしておく。ある日の深夜、視聴テスト中に突然これまでにない深淵な静寂さと、その中で鳴る音に気づいた経験は忘れられないだろう。まるで新しいCDプレイヤーやアンプに買い換えたときのような感動だった。

アプリケーション層での対策
1 マザーボード提供のソフトウェアはアンインストール
  ・TurboV EVO:オーバークロックユーティリティ
  ・T.Probe:電源フェイズをリアルタイムで調節
  ・probeⅡ:温度、電圧を定時監視
  ・AI Suite:ファンコントロール、モニター
  ・EPU-6 Engine:独自省電力管理
2 アンチウィルスソフト(BitDefender)は安全とのトレードOFF上外せないが
  以下を設定
  ・プロアクティブふるまい検出型防御(AVC)の例外には
   Foobar2000およびEnvyコンソールを登録
  ・ファイルオンデマンドスキャンの例外にミュージックライブラリを登録
3 サウンドカード関連
  ・Envyドライバを最新のものにアップデート
   (Windows7標準→5.40a<VIA社>→5.40f<Onkyo>→5.50a<A社>)
  ・AudioDeckはパフォーマンスモード

OS層での対策
 ・マザーボード標準のサウンドカード表示されていれば無効
 ・グラフィックカードHDMIオーディオ出力を無効
 ・排他(デフォルト)設定を再度確認
 ・仮想メモリはオフ(サイズ0)

BIOS層での対策
 ・マザーボード標準オーディオ出力は無効
 ・メーカ独自の拡張機能は無効
 ・BIOSのアップデート
 ・Intel C-Stateを無効
 ・CPU Spread Spectrumを無効
 ・PCIE Spread Spectrumを無効
 ・Intel Speed Step Technologyを無効(自動でTurbo Boostも無効)

 原因はどれか1つというものではないだろう。これから長期に使うこと、さまざまな環境で使うことを考えるとどれもしておきたい。ただ最後の3つは最重要である。なぜなら定格に対してジッタを意図的に起こすものだからである。
 ただその目的はジッタとのトレードOFFであって、Spread Spectrum上は電磁波障害を抑えるもので、Speed Step Technologyは省電力のためである。どちらも捨てがたく、特にSpeed Stepは泣く泣く切った。この機能はOSの管理下にできるわけだから、Windows7やEnvyドライバのチューニングでなんとかなりそうな気もする。
 WSAPIはすばらしい排他仕様をもっているが、それより下の層は担当外なので、OSやドライバでがんばってもらうしかない。特にOnkyoは最近こちら方面への注力が明らかに激減しているので、再びがんばってほしい。

Speed Step Technologyは宿題
 ところで、Speed Stepは2000年ごろに買ったPCにも付いていた。何でそれより後の前のPCで、この同じサウンドカードで、プチプチ音がしなかったのかともおもっていたが、Dimension9100に付いていたのではPentium Dの820番で、Speed Stepが付いていたのは、同じPentium Dでも830番と840番であり、820番は2.8GHz固定であった。
 この技術は省エネにとって捨てがたいな~とおもっていたが、いつも使っているツールでみる限りほとんど変わらない。特にCPUの消費電力値は最大がこれまでの120Wではなく95Wとなり、また現在値も、常に最大値と同じになるのかとおもいきや、これまでの20W前後の半分になっている。かえって省エネになった?
 ただCPU温度がアイドル時でも30度を超えてきている。しかしこれは前回計測時はまだ冬であったが、今は桜が咲いている。ただ外気温の差かもしれない。
 コア別のクロックをみても、つねに2800ではなく、これもまた今までSpeed StepをONにしていたときと同じ1200を示している。ツールの表示がおかしいのか、もしくはわたしのSpeed Stepの理解が正しくないのかもしれない。