WaveUpConverterとFUSEを比べる その1

 アップサンプリングできるフリーのソフトとしては、WaveUpConverterとFUSEが現在国内では利用できるものだが、そうなるとどっちを使うべきかという疑問が出てくる。そこでとりあえずWaveLabで波形を比較してみたくなる。
 左がWaveUpConverterでタップ数23ディザなしで、右がFUSEのタップ数25のディザをデフォルト値にしたものである。

 比較に使ったサンプルでみるかぎり違いは全くみつけることができない。使っているコアのDLLライブラリが異なったり、WaveUpConverterがベースにしたFUSEのバージョンが異なるなどの違いはあるが、このレベルでは違いをみつけることができない。作者の記述によればFUSEはデフォルトで弱いディザがかけられているようだが、この比較では違いとしては確認できなかった。

 こんどは左のWaveUpConverterをディザありにしてみたところであるが、ここでは明らかに違いが確認できる。

 WaveUpConverter(ディザあり)の方がFUSEに比べて高音がぎすぎすした感じがするのはこの(ディザ)のためかもしれない。

 そこで、今回使用した新しいFUSEのバージョンでは「指定はしないように」とあるが、あえてFUSEのパラメータにディザTPDF指定を行うと次のような結果(右)となる。

 クリックして拡大するとわかるが、左のディザありのWaveUpConverterと比べるとディザのかかり具合がかなり異なる。このあたりはもう好みの世界であるが、まずはWaveUpConverterならディザ無し、FUSEならデフォルトがよいだろう。ただディザかけは古いソースやビットレートの低いソースに使うと劇的におもしろくなる。