ストリング・クヮルテット・アルコ NHK スタジオ

 ソースは2008年2月25日 NHK スタジオ録音のストリング・クヮルテット・アルコ「ディファレント・トレインズ 」で、16bit48khzでL-PCMで録音したものを24bit192khzにアップサンプリングしたもの。WavPack後のサイズは1.71GB。

 今回はちと残念なケースをこういうケースもあるということであげたい。プログラムは前半はシューマン弦楽四重奏曲、後半はメインのライヒの「ディファレント・トレインズ」。ディファレント・トレインズは学生時代にちょうどライヒの発表直後にTVで聴いた。それもNHKだったとおもうが、ライヒのインタビューを交えての番組だったが、深く考えさせられた曲。CDも2枚ほど持っている。それをまた見ることができて、こういう企画をするとことはやはりNHKでしかできないことですばらしい。
 さて何が残念かというとその録音というかミキシングである。決して演奏ではない。下の波形ははじめのシューマンの1楽章の出だしだが、はじめて聴いたときなんだこのノイズはとおもって確認したものである。わかりやすいのは8s~10s、18sから20s、28sから30s付近の演奏が止む部分である。通常、いつものNHKのプログラムならこの部分の波形はこの倍率ではほぼ0のラインで、下のように太いラインとはならない(9s付近の黒い縦帯は選択によるものです)。

 シーともソーともいう音。たとえるならパソコンの後ろのファンの音がたえまなく、曲映像の入りから出まで続く。なんだろうか、ライトの照明の冷却音か、後半のディファレント・トレインズでの映像機器のファンの音かわからないが、下のWaveLabでの周波数解析にかけると各周波数帯で一定間隔で山谷が繰り返されていることが確認できる。映像(シーン)が変わるとこのノイズが入ることから、ミキシングの問題かもしれない。

 いつものプログラム(録音)が素晴らしいために、え、NHKどうしたの?とおもうほど今回はひどい。たまにやる外国のプログラムの録音の悪いものと同等か、それ以下のレベルである。いつものがすばらしいだけでその落差にびっくりする。
 ということで、こういう場合にはレンジを拡大するFUSEやWaveUpConverterよりは、拡大しないSSRCかr8brainでアップサンプリングしたほうがいい。そうでなければノイズも増大して疲れてしまう。