Panasonic SC-D5 デジタルのてっぺんの音

 高校時代に購入したのがこのステレオコンポ、パナソニックSC-D5である。それまでCDはウォークマンで聴いていたのだが、当時はコンポブームで周りの友達がぞくぞく購入していた中であり、どうしてもコンポがほしくなった。
 はじめは友人が持っていたパイオニアのプライベートにするつもりだったのだが、SC-D5パンフレットを見たとたんこれにすることに決めた。いまでもそのパンフレットの1ページに書かれていたことをうろ覚えている。
 「いままで降っていた雨があがり、たちこめていたうすもやが切れ、あたりが晴れわたる山の頂上。デジタルのてっぺんにこんな清清しい世界があったとは。ハイビットコンポSC-D5登場」
 という感じだったとおもう。SC-D5のパンフレットは、他のコンポとは異なりデザインやそのイメージアイドルを前面に出すのではなく、テクノロジーを強調した印象があった。

 ハイビットコンポとうたうこのSC-D5には18bit/4fsデジタルフィルターのDACが搭載されており、そのせいかこれまでのCDウォークマンとは明らかに違う音。そのまま数日は聴きまくったとおもう。特に音が伸びるといった印象をよく覚えている。
 以後、今日までハイビットやら、アップサンプリングやら、アップコンバートのたぐいに弱いのはこのときの衝撃のせいかもしれない。