久石譲 α-BET-CITY(アルファベットシティ)

1985年発売の久石譲のアルバム「α-BET-CITY」。16bit44.1khzリニアPCMでリッピングしたものを24bit176.4khzにアップサンプリング。演奏時間は47分11秒でWavPack後のサイズは1.4GB。

 テクノ、ロマンチシズム、エスニックの要素がつまったアルバム。高校生の時やっとのおもいで探して手にいれたが今でも入手が困難なようだ。タイトル曲で疾走感あふれる「α-BET-CITY」や、センチメンタルな「MOBIUS LOVE 」など傑作が多い。中でも6曲目の「DA・MA・SHI・絵」は堂々とした進行で圧巻である。
 ただ今きくと当時のデジタル楽器のスペックのためか、録音によるもののためか、はたまた手元のCDが初版のもののためか、S/Nの抜けのよさはそれほど感じられないのも事実である。そこでこのアップサンプリングが活躍する。コンバート後は色つやがでてどの曲も活き活きとするように感じる。特に10曲目のリミックス版の「DA・MA・SHI・絵」は、オリジナルの時点で音質の劣化がはげしいが、WaveUpConverterやSSRCでがつんとディザをきかせることで厚みがでる。
 さて昨年末、NHKで宮崎駿映画「ポニョ」の音楽をやっていたが、そこで指揮棒をふる作曲者である久石譲をみて、もうこの「α-BET-CITY」のような前衛的なアルバムをやることはないだろう、という気がした。