東芝 RD-X4 ぽんこつだがアップサンプリングで大活躍


 2004年に発売された東芝のDVDハードディスクレコーダーのフラグシップモデル。購入してからのトラブルは数知れず。内蔵のDVDドライブの不良度は、家電史上燦然と輝く。数十枚ものブランクの太陽誘電製DVD-Rメディアが失われ、「ERR-xxx」ではじまるエラー番号は本体に貼っているメモをみると15個を数える。いくつかのエラーはなんどもお目にかかる。
 最悪のケースはドライブがハングしてハードディスクが延々とアクセスを試みついには発熱のため、データを抱えたままぶっとんだ。筐体をさわると、あちっ!まるでコンロの火に誤って触ってしまったような、予期できない熱さ。もやは家電というレベルではないぞ!
 出張修理には何度もお世話になった。いつもの修理員がやってきてテキパキと交換する。ドライブ交換が2回。HD交換も2回。保障期間1年をすぎてももちろん無償。こちらも「あのー料金は?」とやぼなことは聞かない。おたがい暗黙の了解だ。
 けっきょく市販のとあるディズニーのDVDソフトが再生できないという問題もあって、次のRDモデルでは自社製のDVDドライブが搭載されなくなった。
 まあこんな悲しいRD-X4だがファームウェアのバージョンアップも4,5回はした結果、ようやくこの2年は安定している。たまにDVD-Rが失われたりするが気にならない。たまに最後のファイナライズでハングするが気にならない。たまにブランクのメディアを認識しないが気にならない、もはや悟りの境地、RDマスターに達しているので「あっそ」である。
 さて家庭のメインが地デジになった今、このRD-X4はテレビにもつながれずいるが、まだまだバリバリの現役である。現時点で最高の音声スペックを誇る、NHK衛星アナログ放送Bモード16bit48khzリニアPCMの録音で大活躍だ。録画モードは音声はL-PCM固定にして、画質は残りを計算して0.2Mbit単位で指定することで、大半のプログラムがDVD1枚に収めることができる。あとはこれをパソコンでWaveのままで取り出して、WaveLabで曲分割をしたあとアップサンプリングにまわす。
 しかしこれができるのも2011年7月までだという。映像のスペックはどんどん向上していくというのに、音声は低下するというよくわからん事態。映像偏重のきわみ。ああ、遂にクラシック倶楽部は圧縮音声だけになってしまうのか。PCM放送でこれと並ぶプログラムの質と量を持つものは今の日本にはない。世界でも最高峰のプログラムであるのに。もう「アナログマ」のように泣きたい気分である。

 (2009/6補足)
 ついに内蔵のSD-W3002ドライブがうんともすんともいかなくなった。熟練のだまし技、電源長押しリセットなどもろもろの手をつくしたがだめであった。サポートを呼んでも変わらないだろう。ついにこの日がきたか。いやこの日のために3年前に購入しておいたLG社GSA-4167Bドライブの出番である。
 交換は問題なく済みメインのDVR-Rのロード、認識、書き込みすべて問題ない。とくにメディアの認識スピードは純正のとは雲泥の差である。なおドライブ、RD-X4EXともファームは更新済みである。RDの方は最強のZP26の状態で行った。