VC64 Professional RC2 でアップサンプリング

 実はVC64 Professional は最初にトライしたアップサンプリングツール。モジュールが掲載されているサイトの安全性が不明瞭なこと(ここでもあえてリンクしません)に加えて、とんでもなく遅い...ということもありかなりごぶさた。
 とはいえこれまでいろいろなアップサンプリングツールをみてきたのでせっかくなので再度トライしてみよう。

 画面をみるとわかるがJavaで動く。そして起動パラメータに「-Xmx450m」を要求しているのもなかなかの巨艦ぶり。設定できるパラメータはいろいろあるが、今回はデフォルトのもので試してみる。
 そして...やっぱり遅い。いつも比較に使っている1曲をアプコンしてみたのだが、他と比べて10倍ではすまない時間がかかる。かつてVC64を使うのは現実的ではないとあきらめたわけだ。また出力後のサイズが他とは異なることに気がついた。Wavファイル形式ではその内容にかかわらず同じサンプリングレートであればサイズは全く同じになるのだが同じにならない。おかしい。
 そこでWavLabでSSRCのものと比較すると前後に無音部+α、があることがわかった。拡大するとわかるが無音部だけではない。いったいこの無音部とαは何であろうか。フーリエ解析時の都合によるものだろうか?

 なお今回、今後の比較のために他と開始が同じになるように前の部分はカットしたものも作った。またクリップ無し、最適化の違いはファイルベースでの比較でも違いが見つからなかった。

 周波数解析にかけると48khz、96khzを頂点とした倍音がある。うーんディザによる倍音ではなさそうだ。アップサンプリング時の処理による歪(ひずみ)ではないだろうか。

 さて、試聴上だが、アップサンプリング処理に時間を数十倍かけているとはいえ、それ故優れているとはおもえなかった。また今回の条件での波形、周波数解析においてもあまりよいとはおもわれない。製作にあたっての大変な労力と、またアップサンプリングという素晴らしい方法を提供されていることに敬意は表したいが、現時点では特段これを選択する理由が見出せない。
 ただJavaというプラットフォームによりさまざまなOS環境で動作する可能性をもっていること、分散処理の可能性があることは特徴であろう。VC64はまだ(とっても長い期間だが...)RCであり、これらの特徴を発展させれば唯一無二のツールになる可能性はある。