このブログでもだびだび書いてきたが、世界に誇るプログラムの質と量を誇り、地デジを凌駕するスペックを誇るBSアナログ放送Bモード放送は、2011年をもって終わりを告げる、かとおもいきやそうではない可能性がでてきた。
2011年にBSアナログ放送は終了するが、そのチャンネルと新たなチャンネルを使った高度BSデジタル放送の仕様策定と検証が現在進められている。まずは総務省のHPにある「高度衛星デジタル放送の音声符号化暫定方式案に関する中間報告(案)」を読み進めていこう。
4.1の想定利用ケースの(2)に非圧縮高品質音声サービスとあり、そこには「現行のBS デジタル放送及び広帯域CS デジタル放送と同等又はそれ以上の音質が望まれることを考慮し、MPEG-2 AAC 圧縮符号化による音声品質を超える最高音質サービスを実現するためリニアPCM 音声符号化を提案。また、アナログBS放送のB モードステレオ(非圧縮)音声サービスの後継サービスともなる」とある。
つまり現在のデジタル放送で使われている圧縮音声の品質を超えるものとして、非圧縮モードが提言されている。これはよかった。地デジとBSアナログが同時に入る環境であれば、聞き比べればすぐにわかることだ。理論的にどう説明されようとも、耳は地デジではなくBSアナログBモードを選択するものだ。
さてそのスペックといえば最大5.1ch、48khz、24bitとなるようだ。現状のBSアナログBモードが2ch、48khz、16bitであることから考えると、サンプリング周波数が変わっていないことに目がいく。なんだこの理由はまた理論倒れの、人間の耳には20KHz以上は聞こえないとかいう理由かとおもえばそうではないようだ。「96kHz サンプリング周波数の不採用について」の項目では次のように理由が説明されている。
「非圧縮符号化(リニアPCM 音声)の場合、96kHz サンプリング周波数に対応させるためには、5.1ch サラウンドで約13.8Mbps が必要となり、衛星デジタル放送の高度化で検討されている1 中継器あたりHDTV4 番組(4TS)では、5.1ch サラウンドの伝送は事実上不可能と言わざるを得ない。」
とリソースの制限が理由となっている。あれま。2chにすればいいじゃんとおもうが、今後のプログラム作成の現場を考えると5.1chがベースになるのだろうか。あとは編集の現場で96Khzのソースを、これまでの16bit48Khzではなく、24bit48Khzへレートコンバージョンする手法が評価され、最適化されれば(怖いのはただ量子歪みだけ、ディザはいやです)、2011年以降も高音質の放送サービスを日本は発信していくことができる。関係者の方々、ぜひがんばってください。どうぞよろしくおねがいいたします。
_| ̄|○ (・_・;) ←関係者の方々