P183デフォルトのエアフロー

 P183には後部に2つの排気用のファンが取り付けられている。1つは背面に、もう1つは天面に設置されており、2つは単品でも販売されている12cmのTriCool Fanというものだ。Dimension9100に比べるとこのファンは優秀である。通常1200RPMで回転するが、Q-FANにつなげた背面のファンは600RPMで運転される。
 このデフォルトの状態で電源ユニット、CPU、VGAを設置した場合のエアフローは次のようになる。図ではファンがある位置は水色で示している。
 後部と天井にある2つの12cmファンがCPUやVGAから出る熱などを排出することで、結果、内部は負圧となる。下がった気圧を元に戻そうと、外部から空気が開放されている部分から入り込む。P183の外部への開放部分は主に前面全体で、防塵のためのフィルタが付いている。
 購入したCPU(Intel Core i7 860)とVGAカード(ATI HD5750)には専用のファンが付いており、回路にエアを当て冷却するが、その廃熱は後部の2つのファンより排出される。
 さて、ケースをよくみると後部のPCI空きスロット、またわずかだが水冷ダクト用の2つの穴があるが、これはアルミテープで塞いでおく。筐体側面パネルは取り外し可能になっているが、ケースのつくりがしっかりしているのでぴったり取り付けられるのでここは問題にしなくてよいだろう。
 ここで比較のため前のメインマシンだったDell Dimension9100のエアフローみてみる。 こちらはP183と異なり2つのファンは前面にあり、この2つのファンで外の空気を取り入れるしくみとなっている。この結果内部は正圧となり、開放された背面から排気される。①12cmファンはCPUの放熱フィンに直接風を当て冷やし、その下②の8cmファンはハードディスクからVGAカード、マザーボードに至るルートにエアーを送っている。③の電源には吸気ファンがあるが、この配置からCPUから出た熱を吸気するためだろうか、後ろからは熱風が吹き出す。
 ちなみに②の8cmファンの後に置けるハードディスクは2つまでで、増設した3台目は5インチケースに置くことになるが、この増設した3台目のハードディスクの温度はいつも10度以上も高かった。
 P183ではハードディスクセクションは電源ユニットとストレートフローの位置関係にあるため、電源ユニットのファンに期待したが、さすが高効率をほこるCP-850ファンはゆるゆるとまわっているだけで、後ろに手をかざしてもやんわり温かい程度それ故、ハードディスクにエアーを送るファンを前面に吸気用として追加が必要だろう。
 またケース内を正圧に近づけることで、防塵フィルターがない隙間から空気が流れこむことによるほこりの侵入を抑えたい目的ある。P183は前面にファンを合計2つ増設できるので、2つ追加しよう。