曽根麻矢子 バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1番 BWV846 前奏曲

 ソースは曽根麻矢子の2007年パリ、ノートル・ダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂で録音されたバッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻(全曲)より 第1番 BWV846 前奏曲で、e-onkyo musicの24bit96KHzをUpConvにより192KHzにしたもの。サイズはWavPackエンコード後で87MB、ビットレートは5800kbps、演奏時間は2分6秒。
 これまでいろいろな音楽を聴いてきたが、どのアーティストが好きかといわれれば結局はバッハに戻るわけで、しかもこの前奏曲の啓示的もいえる完全性を前にすると、存在論的にいうならば一真美の受肉だとおもわずにはいられない。
 まあ、ようはとっても大好きな曲なわけで、しかも実際の礼拝堂での録音(これ大事)で、かつハイビットサンプリングソースとして販売されているならどうして購入しないでいられよう。で、早速購入ページで購入しようと進むと、「まだ環境の確認ができていません」とのメッセージが表示された。なるほどまずはサンプル曲をダウンロードして確認するのか。大事なことだ。ということでダウンロードして、再生すると....
 「ファイルの再生中に...問題が発生しました」...だと!?。アップデートやFAQのページをみていろいろやってみたが全くだめ。う~んこんな技術上の問題で聴きたくても聴けないとは。さてどうするか。仮想環境のXPモードでサンプル曲をダウンロードしてみるとこちらは再生できる。前のリアルPCのXPでもOK。
 DRMが施された曲なので、別のPCでダウンロードして再生ができても、このメインPCに持ってきて聞くことはできない。こんなばかばかしいことはない。中途半端なサンプリングレート音源にDRMなんかしやがって、HQMの24bit192KHzのパッケージ販売を見ろ!
 と...文句をいったところで解決はしない。面倒だがやるか...ということで、とりあえず再生ができるXPで購入しファイルを揃えた(せっかくなので他にも20曲ほど購入した)。そこで詳しくは省略するが仮想サウンドカードによるループバックで、レートコンバージョンされないように注意して...24bit96KHzのwavファイルを作成し、メインマシンへそのwavファイルをもってきてようやく聴けた。
 この状態のスペクトラ解析を行うと下のようになっている。ハイサンプリング音源です!とうたいながら、ときたまみられる22~24KHzでの落ち込みはみられず、最新の録音らしい48kHZぎりぎりまで続く分布でソースとしては良好のようだ。

 これをUpconvで24bit192KHz、高域補間、ノーマライズでアップサンプリングをかけた結果は下のようになる。

 チェンバロのハイサンプリングソースは貴重で、DRMしばりという問題はあるものの、e-onkyo musicで販売されているこの音源の品質は高い。チェンバロの宇宙ともいえる壮麗な世界を楽しむことができる。特にノーマライズ効果だろうか、チェンバロの鍵のアクションにともなうきしみのような音が、きゅるっきゅるっとはっきり聞こはじめるのがある意味アップサンプリングの醍醐味でもある。しかしこの音を聴くとどうしてもグレン・グールドの唸りを思い出してしまうのは、しかたがないことか。