Vince Guaraldi:チャーリー・ブラウン サウンドトラック

 ソースは1964年アニメ「スヌーピー」のVince Guaraldiによるサウンドトラックで、176.4KHzへのアップサンプリング後のアルバムサイズはWavPackエンコード後で1.3GB、ビットレートは4050kbps。

 スヌーピーは日本がまだ白黒アニメだった頃にカラーでしかもこのクオリティーの音楽、当時の圧倒的なアメリカの国力を感じさせる。しかし80年に新規に作られたスヌーピーにはがっかりする。それは何故だろうかと考えるとまずは内容が子ども向けになってしまったことにあるとおもう。

 スヌーピーの作者のシュルツ氏は、「本当に伝えたいこと(真理、キリスト教)を話すために漫画という形式を用いてる」と語っているが、実際読者のほとんどは(掲載新聞の購読者である)大人であり、内容自体は隠喩を用いていることもあり、安易な興味で近づくと全く面白くない不思議な作品ともなっている。しかし一旦理解しはじめるとスヌーピーはがぜんおもしろくなるし、その普遍性ゆえに子どもも直感的に楽しめるのだろう。

 音楽も同様である。とにかくクオリティーが高い。この音楽は映像に付けられたというよりも、作品全体の哲学への伴奏のようであり、またGuaraldiのピアノに耳をすますだけでも楽しめる第一級のジャズアルバムでもある。ちなみ演奏はライブ感があるトリオ演奏なのでビットレートは低めであるし、録音状態がそれほどよくないので静的アップサンプリングが活躍できる。

 なお40周年でつくられたDavid Benoit「チャーリー・ブラウン・クリスマス」でもビットレートはそれほど上がっておらず、これは別の帯域の音がいらない原曲の良さを示しているのかもしれない。またCyrus Chestnut「チャーリー・ブラウン・クリスマス」もあるが、よりGuaraldiのオリジナルに近い演奏で、改めてやっぱり原曲がいいんだな~とおもう。