USBは96KHzまで... これからのスタンダードとは

10/15 リンク修正、明示等をして更新

 今年の春にPCを新調して以来、解決していない問題がある。そろそろがまんできなくなってきたので、サウンドカードを変更しようかと調査を開始した。現在の大きな問題点は次の2つである

 1. WASAPI(排他モード)で176.4KHzが再生できない
 2. Intel Speed Step TechnologyをOFFにしないとプチ音が鳴る

 1. の問題はまさかであった。XPではカーネルストリームで聴けていたのにOSを変更すると遭遇した。しかも192KHzは再生できるのでややこしい。ライブラリの大半が176.4KHzなのでクリティカルである。ポイントはVista、Windows7用のドライバにあるとみているが、ONKYOから回答はなく、ドライバは製造元まかせになっている。週末に「Hi-End Show Tokyo 2010」で、PCオーディオの今後の方針を聞いてみようかとブースにいったが、ひときわ大きい場所を占めているのに、係員がいない(ちなみにお客さんもなし)。おつきあい出店ということか。

 2.の問題はきわめてわずかでスピーカーでは認識できないレベルだが、ヘッドフォン&ハイサンプリングレート音源ではこれもクリティカルである。回避方法は、CPUの設定変更だが、できればそんなことをしたくない。論理的に独立してほしいところである。PCなのだから。

 これらの問題を解決でき、お手頃な価格で、PCとして汎用的でシンプルな構成、そして現在のリスニングスタイルを続けられるものはないかと次の目標を設定した。

 a. DAC部分は外部に持ってくる
 b. PCとDACの接続はUSB、ドライバはOS標準(=WASAPI排他OK)
 c. ヘッドフォンアップのように小型でキーボードに横に置ける
 d. 現在の再生中のサンプリングレートが視認できる
 e. DACはUSB接続時に24bit、176.4KHz、192KHZの性能を持つ

a. DAC部分は外部に持ってくる

 これは汎用的だからという理由からである。アーキテクチャ上のオーディオ面のメリットは考慮していない。PCI接続も十分メリットがある。ではPCからDACまではどうやってつなぐのか。最近では主にUSB、光、同軸の3つの選択肢があるようだ。

b. PCとDACの接続はUSB、ドライバはOS標準(=WASAPI排他OK)

 光、同軸は昔からあるし信頼を感じるが、PCの世界で汎用性という点ではどうしてもUSBに分がある。最近ではイタリアのメーカーがUSBを同軸に変換してくれる装置を売っていて、機械的な楽しさに惹かれるが、経路上のシンプルさを考えるとやはりUSBを選んでしまう。DACを複数取り揃えて、目的の経路をあらゆる方法で作り上げてガンガン攻めまくるのもおもしろいが、今はやめておきたい。また論理的なUSBドライバ部分も、汎用性を考えるとOS標準がよい。これには昔ストレージ系の専用ドライバを使っていたが、SPの適用で動作がおかしくなった経験が影響している。

 さて現在のそれに比べて末端のヘッドフォンまでの経路にケーブルが1本追加されることになり、シンプルさが失われるのがいやだが、D/Aコンバーターが独立しているという、昔味わったメカニカルな楽しさがある。


c. ヘッドフォンアップのように小型でキーボードに横に置ける
d. 現在の再生中のサンプリングレートが視認できる

 現在のリスニングスタイルのリプレイスで実現できるようなUSB-DAC機器はあるだろうかと探しているとまず見つけたのがDR.DAC2というのがあった。サイトには「販売終了しました」とあるが...イメージは近い。ヘッドフォン端子があるので、ほぼ現在のヘッドフォンアンプとリプレイスできるし、サンプリングレートを視認的できるランプも付いている。いいね~。


 しかし、もうちょっとメカニカルな部分がないシンプルなものはないかと探し続けていると見つけたのが「RAL-2496UT1」である。シンプルでずっといい!


e. DACはUSB接続時に24bit、176.4KHz、192KHZの性能を持つ

 でこれがない。とあっさり書くほどショックは小さくない...改行が2つは必要だ。


 もちろん広い世の中、筐体が大きくかつ価格が上がれば「USB dac32」とのようなものがあるが、それはスピーカーでつないでこそのものだとおもう。このブログでアップサンプリングやらPCオーディオやら書いているが、スピーカーで聞くときはピュアオーディオ派だったりする。普通にDENONのアルファプロセッシングの音が好きだし、これはクリプトンの試聴会で語られていたことでもあるが、ハイサンプリングレートの音源はCD時代の(わたしの)機器では痩せてしまう。

 さて何故USB接続時は96KHzまでという制限がつくのだろうか。今ほとんどのマザーボードはUSB3に対応しているが、こういった縛りを入れることで176.4KHzや192Khzは実現はできないのだろうか、いやできるのではないだろうかという希望を強く持ち続けることにしよう。