標本化の結果を目でみてみよう

 CD制作時には標本化(サンプリング)と呼ばれる作業が行われている。オリジナルの音から毎秒あたり等間隔で44,100の標本を取出し、それぞれの標本を量子化、16bitの分解能で数値化する。ここでは元となるアナログデータは表示できないので、手元にある標本化済の最も高いものをオリジナルとする。

 下はそれでアナログマスターテープから24bit192KHzで標本化されたもの。アップサンプリングで生成される24bit192KHzと違って、その波は滑らかではなく、ひげのようなダイナミックなものとなっている。


 そしてこれが16bit、44.1KHzで標本化したもの。これには市販のツールを使っているが、折り返し歪みを避けるためのハイカットフィルターのスペックは、手元の資料ではわからなかった。


 下が、それぞれを重ねたものとずらして表示させたものである。標本化のイメージとしては、透明な方眼紙(横44,100/秒、縦65,536の格子が描かれている)を重ねて、適切な(単純にするなら一番近い)マス目を選んでいくようなものである。マス目がオリジナルの上にあればよいのだが、目が荒いと、どの位置から標本化したのかにも依存することがよくわかるとおもう。このために標本化の前段階でフィルターをかける必要があるのである。